シラフで死ねるかっ。~酔い闇の映画祭り~

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6才のボクが、大人になるまで。(ネタバレなし)

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【勝手に星付け@映画】

6才のボクが、大人になるまで。 ★★★★☆

あらすじ→メイソンは、テキサス州に住む6歳の少年。キャリアアップのために大学で学ぶと決めた母オリヴィアに従って、姉サマンサと共にヒューストンに転居した彼は、そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父メイソンSrとの再会、母の再婚、義父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していく。

ずーっと気になってた映画。

勝手にハートウォーミングなヒューマンドラマだと思っていたけど、

私の中ではある意味、ボーイズドントクライよりもハードな映画だった………!!!

ある家族の1年の1日間だけを切り取って撮影する手法で、映画の中の登場人物も合わせて年をとっていく。

完成までに12年かけた企画力と制作力には脱帽するけれど、

この監督は、おそらく意図的に時間経過がわからないような作りにしているのだろう。

前のシーンから繋がりがわからないままだから、感情移入する前にどんどんストーリーが進んでしまった。

でも序盤では次の1年への伏線が描かれているシーンもあったし、かと思えば中盤はわざとノーヒント!

終盤には少しメッセージ性を持たせたりと、12年の間の様々な試行錯誤が見え隠れする作りは好感が持てました(*´ー`*)

配管工とのランチシーンからようやく物語が動き出したと思ったら、すぐにラストへ………おおーい!となってしまったけど!

でもねー、実際の映画にもならないような市井の人間の人生なんてそんなもんなのかも知れない。

最初は良い母親なのかと思ったら、あれ?ちょっとこれはないなぁ…となったり、

母親としての顔と教師としての顔のギャップが痛々しくも、人間って本来そういうもんだよなーっとなったり、

劇的な何かがあったわけでもないけれども常に慈しみ合う姉弟の絆や、カメレオンみたいに変わる心。

あと割りとセリフが刺さるんですよねー。

とある人物のセリフ、「あとは自分の葬式しかない!!」

きゃー、言わないでー、それを言ったらおしまいよー!と絶叫してしまいました!

↑いや、ほんとにしたらアレな人だからしないけど(´-ω-`)

それと主役が12年後、とんでもないツルッピーとかとんでもないブゥちゃんになってたらどうしてやるんだよぅ!と密かにハラハラドキドキしたのは内緒。

12年という歳月は作る方も根気がいっただろうけど、観る方はもっと根気がいります!!!

親切に描かない分、その一瞬一瞬があとから思い返すととても大切で、眩い。

人は変化する。けれど決して後戻りはできない。

それが如何に大事なことなのかが分かる映画でした。