シラフで死ねるかっ。~酔い闇の映画祭り~

映画レビューを書いてます。たまにネタバレ。たまに毒。たまに涙。

バチあたり修道院の最期(ネタバレなし)

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なぜかこの映画を観たら、

「愛なんていらねぇよ……夏」と渡部篤郎の真似して言いたくなりました。

【勝手に星付け@映画】

バチあたり修道院の最期 ★★★☆☆

あらすじ→ヘロイン中毒の恋人ホルへが死んだことに恐怖を抱いたナイトクラブの歌手ヨランダは、かつて彼女のファンだという尼さんからもらった名刺を頼りに、その修道院を訪ねる。その頃修道院では、侯爵の死で、尼長は侯爵婦人から献金の停止を申し渡され、閉鎖の危機を迎えていた。(どっかのサイトから)。

トークトゥハーの監督(←名前覚えられない!)の長編三作目。

歌手のヨランダが恋人の死を目撃。刑事(?)の訪問をかわして修道院へ………って、

スペイン版天使にラブソングみたいなもんかなっと思って見始めたら、

修道院初日から、いきなり尼長が注射器でキメちゃうわ、庭には虎がいるわ、官能小説が出てくるわ、人喰い族がどうとか……。

そもそもここにいる修道女たちはヤク中でレズビアンの尼長をはじめ、LSD中毒の肥溜尼、官能小説の作家どぶ鼠尼、虎を飼っている偏執狂の堕落尼、神父に熱をあげる毒蛇尼というそうそうたる顔ぶれ!!!

あんたらバチあたりっていうより、犯罪者じゃーん!!!!

あげくに駆け込んできた女たちを寄付を募る道具としか見てない修道女たち。

神をも恐れぬ………とはよくいったもので、ここの修道院には「神」の存在感0!!!

しかもそれを大したことない普通の日常として描いてるから、もうちょっとしたホラーですね。

ヨランダもその実態に特にビビることなく、

じゃあクスリわけてね(ハァト)、官能小説も読ませてね(ハァト)とすんなり溶け込む。

まぁ、そんなヨランダにもびっくりだけど。

そんなわけで全然、「天使にラブソングを」してません。

天使いません。ラブソングありません。犯罪者の巣窟です。

そんな中でも、肥溜尼のサイコっぷりは群を抜いてます(*´ω`*)♪

修道院の維持費を稼ぐために修道女たちが市場でケーキやらなんやらを売りにいくわけですが、

彼女らの売場の脇で、大道芸人が火を吹くわけですよ。

それを見ていた肥溜め尼は、何を思ったか長い串をいきなり自分の頬にズブズブーッと突き立てるんですねー。

「あたしなんかこんなこともできちゃうのよん」と、どや顔で言ったとか言わないとか…(←ほんとは言ってない)。

肥溜尼はある理由から自らにあらゆる苦行を課しているので、その後もいろいろやらかしてくれます!!!

割ったガラスの上を素足で歩く、ベッドは鉄の処女状態など………まさにインドの苦行僧も真っ青なドMキャラ!!!

いいですよねー、尼僧でドMでサイコ。

ある一定の層にはバカウケすること間違いないと思います(=ΦωΦ=)

そんなわけで特にこれといって確たるストーリーがあるわけでもない映画ですが、

騙し合いに裏切り、LGBT、ドラッグ、殺人、エロ…………めちゃくちゃだけど、〆にヨランダが修道院のパーティで歌ってめでたしめでたし♪と言えなくもないかな(*´ー`*)

ラストの尼長の絶叫がよかったですー。

とりあえず与えられた幸せの中で生きていくプロトタイプのヒロインではなく、

自ら幸せを掴みにいく新しいヒロインを描いた映画である!!!

と、まとめておきます。