シラフで死ねるかっ。~酔い闇の映画祭り~

映画レビューを書いてます。たまにネタバレ。たまに毒。たまに涙。

リリーのすべて(ある意味、ネタバレあり)

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エディ・レッドメインには無尽蔵に高得点をつける私が通ります。

【勝手に星付け@映画】

リリーのすべて ★★★★☆

あらすじ→

この映画はずるい。

人生の綺麗なところだけを切り取っている。

愛がこんな綺麗なはずがない。

無償なはずがない。

そんなことを思いながら、感情のたがが外れるほど号泣した。

この映画のリリーは、別の視点から見れば、自己中心的でわがままだ。

そう見えてしまうのは、(トランスジェンダーということを一先ず置いといて)

彼女の選択はある人への"愛"のためだったという真実を描いていないからだと思う。

清濁併せ持った夫婦だったという史実を無視した脚本は、あまりにもご都合主義すぎる。

彼女が受けたのは臓器移植であり、性転換手術ではない。

そして合併症で亡くなった。

それに邦題がおかしい。

主役はリリーじゃなくて、妻のゲルダではないかと思う。

アイナーは支えてくれるゲルダに対して、あまりにも無関心で冷たすぎる。

この映画に出てくる夫婦の人生は、あくまで映画用で、

自分の生き方やトランスジェンダーうんぬんでリリーになることを決意したアイナーと、苦悩しながら支えた妻・ゲルダの"物語"はフィクションなのだ。

でもこの映画はずるい。

するくて、素晴らしい映画だった。