シラフで死ねるかっ。~酔い闇の映画祭り~

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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(ネタバレなし)

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【勝手に星付け@映画】

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ ★★☆☆☆

(永作博美の怪演には★5つ!)

あらすじ→両親の訃報を受け、東京から山間の田舎に戻った姉・澄伽。

家には母の連れ子だった兄・宍道、その嫁・待子、そして内向的な妹・清深がいた。

女優を目指し、家族の反対を押し切って上京したものの、その超ゴーマンな性格が災いし、女優活動も頭打ち。

そんな姉の帰省により、沈殿していた姉妹の関係は一気に爆発炎上、周囲の人々もその渦の中へと巻き込まれていく。(Amazonさんから)

サトエリってクソヤローだなッ!←誉めてる。

強烈すぎる。

強烈すぎる姉。

いい加減にしろ!と横っ面ひっぱたくたくなるような嫌な女なのに、後半になるとその空回りっぷりが滑稽に見えてくるし、ラストはほんのり可哀想に見えちゃうんだけども……………いかんせん、大根だから(゚ー゚)

劇中にいろんなことが起きて、起きすぎて書ききれないけど、

結局のところ、本谷有希子(及び、彼女のファン)は、この映画化に満足したか否か!?が気になるし、

本谷有希子(及び、ファン)は全力でこう答えるに違いない!

「否!」←と、信じる。

※わたくし、本谷有希子は大好きです!

戯曲の映像化って難しいなー!と感じた1本。

本谷有希子は日常の"ズレ"を描くのがとてもうまい作家で、その産毛がそっと逆立つようなズレを映像にするにはあまりにも些細で微細すぎる!

腑抜けども~…のズレを映像にすると、すんごく嘘くさくなるんですよー。

あ、でも映像だからこそ言葉に頼らずその産毛をズームでとらえられた筈なんだけどなー。

これってやっぱり監督の手腕がアレだったってことなのかなー。

↑貶してるわけじゃないんですッ!ちょっとディスってるだけ!

全体的に大味で伏線を隠す気もないから、どんでん返しも地味だしねー。

しかしこの映画の永作博美は素晴らしい!!!

鈍感で不器用で、純粋すぎる不気味な兄嫁、待子。

後半、いたたまれなさに雨の中、家を飛び出した宍道の前に、待子が現れる。

「シンジさん、迎えにこなくてもよかったのに(ニコッ)」

↑ひぇぇぇぇーッ!

家族の秘密に気付きつつも、微笑みのごり押しで健気な妻を演じる待子ってホラー………。

永作博美がいなかったら、この映画は成り立なかったなぁとつくづく感じまする。

誤解なきように付け加えるなら、私、ほんとに本谷有希子が大好きなんですッ!

大好きなので、辛口に書きましたが、

できましたらば、主役(だけ)を代えてどなたかに撮り直していただきたいと一ファンとして切に願います(=ΦωΦ=)