①ロック・ザ・カスバ、②ヤングアダルトニューヨーク、③サウルの息子。
【勝手に星付け】
①ロック・ザ・カスバ ★★☆☆☆
②ヤングアダルトニューヨーク ★★☆☆☆
③帰ってきたヒトラー ★★★★☆
④サウルの息子 ★★★★☆
【ネタバレ多少あるかも…】
①ロック・ザ・カスバ ★★☆☆☆
「三流マネージャーがアフガンにいって、女性をTVで歌わせる話」
ビル・マーレイだから期待して見たものの、可もなく不可もなく。
アフガニスタンの危険な雰囲気や、緊迫感が伝わってきたけれども、
肝心の歌う場面が盛り上がらないし、コメディーの部分が地味すぎて笑えない。
というか、微妙すぎて笑っていいのかがわからない。
ズーイー・デシャネル、テイラー・キニーが出てくるけど、開始30分もしない内に消える。←無駄遣いしすぎじゃ。
ブルース・ウィリスも無駄遣いしすぎじゃ。
②ヤングアダルトニューヨーク ★★☆☆☆
「功名心溢れる中年夫婦vs功名心溢れる若い夫婦」
コメディーかと思いきや、コメディーでもなかった。
主役がベン・スティラーじゃない方がよかったんじゃないかな。
中年の危機に瀕してる口だけ番長の映画監督(←8年撮れてない)が、口だけ番長じゃないがずるくて処世術に長けた若者に振り回される。
でもわりとがんばるベン・スティラー。
しかし空回りのベン・スティラー。
若者の不正を暴きまくるのに周りがフーン(´_ゝ`)………てなとこに少しだけ悲哀を感じたけど、
こういう映画はよほど人の深いところをえぐるような風刺が利いてなきゃ、あまり印象には残らないな。
なんとなく始まって、なんとなく終わってしまった。
まぁ、最後はある程度、ハッピーエンド。
展開がご都合主義すぎて、ありがちな映画だった。
③帰ってきたヒトラー ★★★★☆
「タイムスリップしたヒトラーが現代で売れっ子芸人になる」
サウルの息子を借りることは決めてる状態で"独裁者と小さな孫"を借りるか、帰ってきたヒトラーにするかを迷った結果。
まずは帰ってきたヒトラーから、と。
面白かった。
面白かったけど、笑っていいのか、笑いどころなのか、ドイツ人は笑えたのか?
恐らく、ドイツ圏では鉄板のヒトラーネタがあたくし、さっぱり分かりませんで………(´-ω-`)チーン。
あるセリフで周りがどっかんどっかん笑うシーンがあるのだけど、
え!これ、なんかのネタなの?状態。
でもわからなくてもプッと吹き出すことはあったから、よかったのかな。
原作が風刺小説ということもあって、所々に含まれるドイツの現代の暗部や、移民問題、財政難などなど。
でもとても乾いていて、ウェットな感じはしない。
随所に施された「ほんとにお前らこれでいいの?」という問いかけを、
どちらにも肩入れせずに、努めて第三者的に冷たく描いている。
この作品のヒトラーは愛すべき(一部)善良で、野心に燃える愛国者だ。
負の側面を控えめにしてる分、むしろちょっと好きになるくらいに一所懸命なおじさんだ。
でも物語が進むにつれて、
現代で人気者になるヒトラーと当時ナチスに夢中になったドイツ人が重なってくる。
それはとても怖いことなのに誰も気が付かない。
戦前に戻ろうとするドイツの行き先を示唆するような不穏な雰囲気を醸しながら、
映画は突然に終わる。
面白いが、怖い映画だった。
④サウルの息子 ★★★★☆
「ユダヤ人収容所の囚人が息子の葬儀をするために奔走する」
不思議な演出の映画だった。
サウルはユダヤ人収容所で、死体処理や掃除などをする囚人、ゾンダーコマンダーだ。
しかしサウルの背景は常にボケていて、はっきりとは映らない。
あれはサウルが見たくないもの、目をつぶっているもの、何か月後かに同じ運命辿る自分から逃げている象徴なのだろうか。
説明するセリフがほとんどない上に、画面は時々ぼやけ、
観客は背景に流れるたくさんの音から、何が行わたかを想像する。
それはとても容易に想像できるからこそ、残虐だった。
サウルはガス室で死んだ息子をラビに葬ってほしいために奔走するけど、
割りとどじっコだ。
大事な爆薬は落とす、ミスってラビは処刑される。
お前もちっとなぁ………と突っ込みたくなった。
最後まで見て、
サウルにとってあの"息子"は全てのユダヤ人の象徴だったのかなと思った。
火葬に忌避するユダヤ人にとっては、死体を焼却炉にいれるなんて許せなかっただろう。
息子の死体を弔うことでサウルは、贖罪したかったのかもしれない。
結局それは叶わなくても、最後に現れたあの少年を見て、
彼にとっての全てのユダヤ人は救われた。
あの微笑みの意味はそうだったのだろうと、あたしは信じる。
【全体的に】
佳作と良作があったけど、最初の2本は見なくてよかったな。
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