吉原炎上(ネタバレなし)
女はカクンと抜けてしまう。
【勝手に星付け@映画】
・吉原炎上 ★★★★☆
あらすじ→1987年公開の東映映画で、様々な理由で吉原に入ることになった女性達の野心や恋愛感情、悲しみ至るまでを描いたヒューマン群像劇。花魁になるまでを演じたヒロイン役の名取裕子の体当たりの演技が話題になった。
業!とにかく凄まじい業!の世界だった。
さすがの西川峰子様!
主役をくったかたせ梨乃!
藤真理子の狂気! 女は怖い…………。
そう思うとあの顔ぶれの中で、よく存在感を残せたなぁ…。
江戸時代が舞台なのだ勝手に思いこんでいたら、明治の話なんですね。
文明開化だなんだ言いながらも明治でも人買いがあったのかと、ちょっと世知辛い気持ち。
しかし花魁道中の息をのむ美しさに、
苦界の女の矜持とは男や恋ではなく、意地と見栄なのかも知れないと感じた。
金魚や布団の赤のなまめかしさ、ふのりの生々しさ、西川峰子様の咆哮。
女の業を描いた映画という認識だったけども、実はあそこまでの狂気に走らせる男の業の映画なのだと思いました。
嘘にまみれた苦界が真実の愛で焼け落ちてしまうラストは、圧巻!の一言。
映画館で観たかったなぁと思いつつ、映画館で観たら恥ずかしくて下を向いてしまったかも…(笑)