エヴァの告白(ネタバレあり)
やさぐれてます。
(諸事情あり)。
触れたら爆発しますが、酒を与えると喜びます。
【勝手に星付け@映画】
エヴァの告白 ★★★★☆
※ネタバレありますのであとは各自の判断でお願いします。 あらすじ→1921年のニューヨーク。ポーランドから移民としてアメリカに入国した敬虔なクリスチャンの女性エヴァは、同行していた妹マグダが入国審査で結核と診断されて収容されてしまった上、頼りにしていたニューヨーク在住の叔母からの迎えがなかったために、強制送還されそうになる。そんなエヴァを興行師のブルーノが救い出すが、彼は裏で売春を斡旋していたのである。(Wikipediaから抜粋)。
いやぁ、ヒューマンドラマと思わせて、ある意味ホラーでした(←一部、語弊あり)。
エヴァという女性を描いていると見せかけて、彼女に関わった男達がどんどん破滅していく話です。
劇中でブルーノに雇われている女がエヴァに叩きつけた台詞。
「あなたが来る前は全てうまくいっていた」
これが全てを物語っている。
まさにファムファタール。
考えてみりゃ戦争を生き抜いて、身一つでアメリカに渡った移民が強かでないはずがない!
翻弄され、憎まれ、または彼女を愛した男達が破滅していくのに、彼女自身はあくまでも自分のの赦しと幸せのみを求めていく。
最高に我が儘で無自覚の悪女、である。
そんなエヴァが懺悔による赦しを得て救われ、最後はブルーノを赦す。
このシーンがなければ救いようがないホラーになっていたかもしれない。
あちこちに散りばめられた十字架のモチーフ。
聖母と重なるエヴァの姿。
ラスト、去っていくブルーノとエヴァの対比。
憎しみは長くは続かない。
エヴァも憎み続けている内に愛しているのか憎んでいるのかわからなくなっていたのではないだろうか。
「あなたはクズなんかじゃない」
これは愛ゆえの台詞だと思った。
簡単に割りきれるものなら、愛憎なんて言葉は存在しえないからだ。
しかしフォアキン・フェニックスはブルーノのような激情型で複雑な人間をやらせたらピカイチだ。