シラフで死ねるかっ。~酔い闇の映画祭り~

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モーリス(ネタバレあり)

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史上最高のゲイ映画(私見)は「太陽と月に背いて」だったけど、あっさり史上最高を返上。 
 
モーリスすごくよかった!!!!! 
 
男性版の「キャロル」というべきか「風と木の詩」の実写版というべきか…………むしろ「摩利と慎吾」に近い。 
 
そうだ、摩利と慎吾だ!!! 
 
とにかく!竹宮惠子萩尾望都で育った方々に絶賛おすすめ致します(=ΦωΦ=) 
 
 
 
【勝手に星付け@映画】 
 
モーリス ★★★★★ 
 
※ちょっと内容に触れてます! 
 
 
 
あらすじ→同性愛が犯罪とされていた、20世紀初頭のイギリス・ケンブリッジ。凡庸な青年モーリスは知的なクライヴと親密になり、ほどなく互いに恋愛感情を抱くようになるが、高潔なクライヴは肉体関係を拒み通したまま学生時代を終える。社会に出て大人になってからも付かず離れずの友情は続くものの、自らの性衝動を御しかね孤独に苛まれるふたりは、やがて互いを傷つけあうようになっていく。政治家を目指すクライヴが上流の女性と結婚したのを機に、友人関係が復活する。モーリスはクライヴ邸の若い猟場番アレックに性癖を見抜かれ、一方的に迫られるうちに肉体をゆるしてしまう。(Wikipediaより)。 
 
切ない。とにかく切ない映画です。 
 
頭でっかちでプライドが高くて口先だけのクライヴ。 (←高潔って書いてありましたが、これが高潔ってんなら犬にでも食われちまえ!ですYO!)
 
自分から愛を告白したのに、モーリスが受け入れると一旦は拒絶したり、 プラトニックを強要し、あげく保身のために女と結婚する。
 
↑なんてやつ!ポイント① (モーリス、もうやめとけって!) 
 
けれど、モーリスに式の介添人を頼んじゃう!
 
↑なんてやつ!ポイント② (でもクズな奴ほど惹かれちゃうんだよね…) 
 
心身共にボロボロになっていくモーリスに「過去を忘れてない」と手にキス!
 
↑なんてやつ!ポイント③ (クライヴ、くそっ!クライヴ!!) 
 
でも嫌なやつと思い切れないんだな! 
 
彼がモーリスと別れを選ぶ時の涙には苦しみが痛いほど伝わってきた。 
 
自分を偽るしかなかったクライヴの人生こそが悲劇だろうし、この時代の大多数のゲイが飲み込んだ痛みなのだと思う。 
 
クライヴはモーリスにとってどんなに愛しても求めても届かない存在。 
 
そんなギリギリの細い線上をつま先立ちで歩くようなモーリスには、もういいよ!やめなよ!痛々しいよ!と胸が締め付けられる。 
 
しかしラスト、窓の外を見つめるクライヴの姿がスクリーンに映ると、 
 
真に届かない存在だったのは、果たしてどちらだったのか?と思えてくる。 
 
そしてモーリスとアレックの関係って愛なの?と聞かれると、うーん…………愛だろうか? ちょっと私には分からない。 
 
分からないけれど、「幸せ」には違いないの、かな。 
 
映画の冒頭にモーリスが教師に「僕は結婚しません」と告げ、教師が「10年後、私は君と君の妻にディナーに招待されてるだろう」(←うろ覚え)的なセリフを返すシーンがある。
 
これが終盤近くのあるシーンに繋がっている演出がまた………泣けた。 
 
アレック役は、ドラマ「シャーロック」のレストレード警部! 
 
クライヴにラブコメ専門になる前のヒュー・グラント! 
 
モーリスは…………忘れた!でも笑顔がめちゃくちゃ可愛い! 
 
なんかもう泣けた! 
 
ポロリたくさんあるけど、泣けた! 
 
おすすめです!