①ロック・ザ・カスバ、②ヤングアダルトニューヨーク、③サウルの息子。
【勝手に星付け】
①ロック・ザ・カスバ ★★☆☆☆
②ヤングアダルトニューヨーク ★★☆☆☆
③帰ってきたヒトラー ★★★★☆
④サウルの息子 ★★★★☆
【ネタバレ多少あるかも…】
①ロック・ザ・カスバ ★★☆☆☆
「三流マネージャーがアフガンにいって、女性をTVで歌わせる話」
ビル・マーレイだから期待して見たものの、可もなく不可もなく。
アフガニスタンの危険な雰囲気や、緊迫感が伝わってきたけれども、
肝心の歌う場面が盛り上がらないし、コメディーの部分が地味すぎて笑えない。
というか、微妙すぎて笑っていいのかがわからない。
ズーイー・デシャネル、テイラー・キニーが出てくるけど、開始30分もしない内に消える。←無駄遣いしすぎじゃ。
ブルース・ウィリスも無駄遣いしすぎじゃ。
②ヤングアダルトニューヨーク ★★☆☆☆
「功名心溢れる中年夫婦vs功名心溢れる若い夫婦」
コメディーかと思いきや、コメディーでもなかった。
主役がベン・スティラーじゃない方がよかったんじゃないかな。
中年の危機に瀕してる口だけ番長の映画監督(←8年撮れてない)が、口だけ番長じゃないがずるくて処世術に長けた若者に振り回される。
でもわりとがんばるベン・スティラー。
しかし空回りのベン・スティラー。
若者の不正を暴きまくるのに周りがフーン(´_ゝ`)………てなとこに少しだけ悲哀を感じたけど、
こういう映画はよほど人の深いところをえぐるような風刺が利いてなきゃ、あまり印象には残らないな。
なんとなく始まって、なんとなく終わってしまった。
まぁ、最後はある程度、ハッピーエンド。
展開がご都合主義すぎて、ありがちな映画だった。
③帰ってきたヒトラー ★★★★☆
「タイムスリップしたヒトラーが現代で売れっ子芸人になる」
サウルの息子を借りることは決めてる状態で"独裁者と小さな孫"を借りるか、帰ってきたヒトラーにするかを迷った結果。
まずは帰ってきたヒトラーから、と。
面白かった。
面白かったけど、笑っていいのか、笑いどころなのか、ドイツ人は笑えたのか?
恐らく、ドイツ圏では鉄板のヒトラーネタがあたくし、さっぱり分かりませんで………(´-ω-`)チーン。
あるセリフで周りがどっかんどっかん笑うシーンがあるのだけど、
え!これ、なんかのネタなの?状態。
でもわからなくてもプッと吹き出すことはあったから、よかったのかな。
原作が風刺小説ということもあって、所々に含まれるドイツの現代の暗部や、移民問題、財政難などなど。
でもとても乾いていて、ウェットな感じはしない。
随所に施された「ほんとにお前らこれでいいの?」という問いかけを、
どちらにも肩入れせずに、努めて第三者的に冷たく描いている。
この作品のヒトラーは愛すべき(一部)善良で、野心に燃える愛国者だ。
負の側面を控えめにしてる分、むしろちょっと好きになるくらいに一所懸命なおじさんだ。
でも物語が進むにつれて、
現代で人気者になるヒトラーと当時ナチスに夢中になったドイツ人が重なってくる。
それはとても怖いことなのに誰も気が付かない。
戦前に戻ろうとするドイツの行き先を示唆するような不穏な雰囲気を醸しながら、
映画は突然に終わる。
面白いが、怖い映画だった。
④サウルの息子 ★★★★☆
「ユダヤ人収容所の囚人が息子の葬儀をするために奔走する」
不思議な演出の映画だった。
サウルはユダヤ人収容所で、死体処理や掃除などをする囚人、ゾンダーコマンダーだ。
しかしサウルの背景は常にボケていて、はっきりとは映らない。
あれはサウルが見たくないもの、目をつぶっているもの、何か月後かに同じ運命辿る自分から逃げている象徴なのだろうか。
説明するセリフがほとんどない上に、画面は時々ぼやけ、
観客は背景に流れるたくさんの音から、何が行わたかを想像する。
それはとても容易に想像できるからこそ、残虐だった。
サウルはガス室で死んだ息子をラビに葬ってほしいために奔走するけど、
割りとどじっコだ。
大事な爆薬は落とす、ミスってラビは処刑される。
お前もちっとなぁ………と突っ込みたくなった。
最後まで見て、
サウルにとってあの"息子"は全てのユダヤ人の象徴だったのかなと思った。
火葬に忌避するユダヤ人にとっては、死体を焼却炉にいれるなんて許せなかっただろう。
息子の死体を弔うことでサウルは、贖罪したかったのかもしれない。
結局それは叶わなくても、最後に現れたあの少年を見て、
彼にとっての全てのユダヤ人は救われた。
あの微笑みの意味はそうだったのだろうと、あたしは信じる。
【全体的に】
佳作と良作があったけど、最初の2本は見なくてよかったな。
#勝手に星付け #映画 #DVD
ファング家の奇想天外な秘密
【勝手に星付け@映画】
ファング家の奇想天外な秘密 ★★★☆☆
あらすじ→落ち目の女優アニーとスランプ中の作家バクスターは、ファング家の長女と長男である姉と弟。
両親のケイレブとケミーユは、街で奇行を演じては市民を驚かせる前衛芸術家で、そんな両親を手伝っていたアニーとバクスターは両親を理解できず、今は自立していた。
だがバクスターの入院をきっかけに、ケイレブとケミーユは子どもたちと久しぶりに再会するが、ケイレブとケミーユが殺人犯に誘拐されたらしいと保安官から連絡がある。
昔から人々を騙し続けてきた両親を知っている2人は、これもパフォーマンスでは、と思いながら捜索を続ける。
アーティストとしての両親の作品なのか、はたまた本当に事件に巻き込まれたのか?
ニコール・キッドマン主演の劇場未公開作品。
いやー、これがなかなか面白かった!!!!
たまにはコメディで笑いたいと、タイトルとジャケに惹かれて借りてみたら、
どう観てもミステリーだし、ヒューマンドラマだし、おまけにどんでん返しにぽかーん…………、
いやいや、これは邦題ダメでしょー!となりました。
ニコール・キッドマン演じる落ち目のアニーは、プロデューサーに煽られてトップレスで撮影所を闊歩するわ(←あげくに隠し撮りされて雑誌に売られるというオチまでつく)、再起をかけて挑んだインタビューの記者と衝動的に寝てしまうわ……もうめちゃくちゃ。
弟のバクスターはバクスターで、ぐだぐだと〆切を2年も伸ばしては小銭稼ぎにしょうもない"ポテト大砲"の取材に嫌々いったものの、なぜかテンション爆上げでポテト大砲ぶっぱなして大ケガ。
コミカルに描かれてはいるけど端から観てると、なんであんたらそんなにしょうもないことばっかやってんの…………と冒頭からウンザリ(´-ω-`)
しかしこのしょうもないグダグダっぷりの原因が明らかになるにつれ、
どうしようもない閉塞感に包まれてしまった。
彼らは幼い頃からアートに命をかける両親に"子供A"、"子供B"という役割を与えられ、そのパフォーマンスの中に組み込まれて生きてきたのですが、
初めは意味もわからず遊び感覚でAとBを演じていても、やがて故意にアニーとバクスターを精神的に追い詰め、それすら"アート"にしていく両親の姿にはやるせなさしか感じなかった。
これは最早、虐待と洗脳!!!
にも、関わらず両親はオレタチ天才ヒャッハー状態………うーん、胸くそ。
大人になってからも呪縛から逃れられず、愛憎に苦しみながらも両親の愛を求める彼らの姿には親子とか家族とか愛情ってなんだろうな……と考え込んでしまった。
探すのが救いか、諦めるのが救いか………それすらも分からないままに両親の捜索を巡って衝突をくりかえすようになる姉弟。
こんなクソな親捨てちまえよ!!!っと内心、思うのだけど、親子ってそう簡単じゃないんだろうな。
終盤、バクスターがアニーに語る。
「死んでいたら嫌だが、生きていたらもっと嫌だ」
こんなこと子供に言われる親ってなんでしょーね………。
しかしこのセリフから、事態は急転直下。
家族の秘密やら、嘘やら、愛やら、アートを巡る人間模様やら………あらゆる伏線を回収しながら、ぽかーん………となる大オチに突入!!!
でも結果的には、ハッピーエンド!…………なのかな。
そう思いたい。
以下、ネタバレ。
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こんなのありかぁーッ!!!!!ですよねー。
これが"アート"ってんなら、見ず知らずの人間をいきなりぶん殴るのだってアートだろうよ?と。
カミーユはどうしてあんなクソ亭主の嘘を"アート"と思えるのか………。
裏切りを無理矢理、アートと言い切るケイレブにも胸くそだけど、
嘘と分かりつつも子供を傷付けてまで、それに寄り添う母親にはさらに胸くそ!!!!
アートや芸術は人生をより豊かにする。
けれど、人を傷付けるようなものをアートとは呼びたくないなぁ。
ナポレオンダイナマイト(旧邦題・バス男)ネタバレなし。
【勝手に星付け@映画】
ナポレオン・ダイナマイト(旧邦題『バス男』) ★★★★★
あらすじ→毎日バスに乗ってハイスクールに通うナポレオンは、ルックスもライフスタイルも、そして家族構成までも超がつくほどのオタク・ワールドの住人。30を過ぎて無職&チャット恋愛中毒の兄と、かつての栄光の日々を振り返ってばかりの叔父さんは怪し気なビジネスを行っている。友人は勝算ゼロなのに生徒会長に立候補を企むペドロだけ。
そんな彼らにもダンスパーティの季節がやってきた。パーティまでにパートナーを探さなければならない。超オタク青年ナポレオンはスィートな彼女をGETできるのか!? (Amazon様から)
※何度も「キモい」という言葉が出てきますが、誉めてます。
まず、バスに全く乗ってないです。
バス、全く関係ないです。
タイトルにもなってるナポレオン・ダイナマイトというふざけた名前の主役がスクールバスに乗り、着席直後に突然、紐にくくりつけたフィギュアを窓から放り出し、フィギュアが地面を引きづられていくのを楽しむという…………キモいシーンから映画は始まります。
ここ、超絶キモい!!!!←誉めてるッ!
彼はオタクらしくなで肩猫背、ダサ眼鏡。
目は開いてるか開いてないかわからない上に口は常に半開き、着ている服も超絶ダサくて、とにかくキモい。
このキモい主人公がひたすら恋に友情に燃え、イケメンに生まれ変わっていくという過程があるかと思うと、ないです。
ずっとキモいままです!!!
ずっとキモいままなんだけど、なんか憎めないし、可愛いんだなぁ。
スクールカースト上位のイケてる女の子にはフラれまくり、ぽっちゃり女子や、メキシコ人の友達とほそぼそとイケてない学校生活を送るナポレオン。
怪しげな叔父さんに振り回され、兄にも振り回され、学校ではいじめられ…………、
散々な目に遭うナポレオン。
彼は声を大にして誰かを責めたりもしないし、必死で生活を建て直そうと努力もする。
でも彼の回りの人間が必ず足を引っ張り、全てをめちゃくちゃにしていく。
可哀想なナポレオン。
でもめげないナポレオン。
キモいナポレオン。
パーティーに誘いたいトリッシュの似顔絵を描いてプレゼントするが、それがめっちゃキモい似顔絵!!!!
当然、ドン引きされるんだけど、「あいつは虐待されてて、未だにおねしょするんだ」と怪しげな叔父さんがトリッシュのママに吹き込んだおかげで、
トリッシュはママの命令でいやいやダンパに出席がやっぱりほっとかれてしまう。
そんな中、友人のメキシコ人が生徒会長に立候補することになり、ナポレオンとぽっちゃり女子は大奮闘!!!
対抗馬のイケてる女子が人気を集める中、
「彼は絶対に君を守る」とスクールカースト下位のいじめられっこたちの心をつかんでいくナポレオン。
このへんはすごく泣けた。
虐たげられてきた者にしかわからない痛みを共有する。
それはナポレオンがキモいなりに今まで生きてきた道だから。
いよいよ生徒会長候補のスピーチの日。
スピーチのあとにパフォーマンスをしなければいけないことを直前に知らされたナポレオンたち。
迷ったあげく、ナポレオンは密かに練習してきたダンスを披露する!!!
このダンスがすごいんだ!!!キモいんだけどねッ!!!!
ジャミロクワイの曲に合わせた見事な浮遊感キモキモダンス!!
しかもうまいんだなぁ。
最高にキモかっこいいダンスを披露するナポレオンを最初はバカにしていた生徒たちだが、
やがて引き込まれ、最後はスタンディングオベーション!!!
さて、次の日からナポレオンはカースト上位に躍りでで、キモメン返上、モテモテ男に変身!!!と思いきや…………、まぁしませんよ(´-ω-`)
相変わらずキモいまま!
でもいいんです!
ナポレオンに触発されたのか怪しげな叔父さんも、兄もきちんと居場所を見つけて去っていく。
それを見送るナポレオンの笑顔。
学校では相変わらずな日々。
でもちょっとだけ前向きになったナポレオン。
それでいいのかなぁ、と思える映画。
邦題に負けてヒットはしなかったけど、ナポレオンダイナマイトのままだったら、
間違いなく「すごい面白い!」って評価される映画になったはず!!!
おすすめいたします(=ΦωΦ=)
新桃太郎(ただ語るだけ)
SFXをSFCと読んで、スーパーファミコンってなんだよッ!と思ってた私が通ります………。
【勝手に星付け@映画】
新桃太郎★★★★★
(※かなり個人的な好み!)
あらすじ→昔々、桃の国では王様と王妃様は、サル丸、キジ丸、イヌ丸と生まれたばかりの王子が仲良く暮らしておりました。
ところがある日、赤鬼将軍(?)に襲われ、王様は絶命。王妃様は死ぬ寸前に一粒種の王子を桃に入れて下界に脱出させる。
やがて桃は子供をほしがるおじいさんとおばあさんに拾われ、両親の敵討ちに…………という桃太郎のいろいろアレンジver.の台湾映画!
台湾版の桃太郎、「新桃太郎」←シリーズ3まで出てるからそれなりに人気だった!?
どなたか知ってる方はいらっしゃいますでしょうか(´・ω・`)?
観たのは小学生くらいなので、細部は覚えてないけども、
ものすごく(いい意味で)下らなくて面白いッ!!!!!!
明らかにネバーエンディングストーリーのぱくりOPから始まり、
桃を追いかけるシーンでは♪桃太郎さん、桃太郎さん~…のもろ80年代風アレンジされたver.が流れたり………、
で、桃を拾おうとしたらおしっこひっかけられて「しょっぺ!」てばあさんが吐き出し、
桃太郎のライバルのスイカ太郎が丸ぽちゃ変態野郎で、
じいさんばあさんの掛け合いが漫才みたいで、
あと(残念な)ポロリあり………、
全関節が桃でできた最終兵器「桃の魔物」的なキャラなんて、へそからおしっこ出すんですよーッ!!
三匹のお供のキジ丸はキョンシーのチビクロたん♪ヽ(´ω`)ノ
すごいイケメン!!
本能の赴くままに書いたけど、キョンシー好きな方は好きかと思いますッ!
あと昔の特撮とかね(*´ー`*)
サプライズ(ネタバレありきのような…)
未見の方は、ネタバレなしで観た方が楽しめますので回れ右を~!
ネタバレしてないけどね、読んだらバレちゃうかも。
【勝手に星付け@映画】
サプライズ ★★★☆☆
※ネタバレしてないけど内容に踏み込んでます。
あらすじ→両親の結婚35周年をみんなで祝福するため、息子のクリスピアン(AJ・ボーウェン)と恋人エリン(シャーニ・ヴィンソン)をはじめ、久しぶりに家族が顔を合わせる。だが、彼らの一家団らんの時間は、ヒツジやキツネやトラのマスクをかぶった集団が押し入ったことにより突如終わりを告げることになる。いきなりの襲撃に誰もがパニック状態に陥るが……。
シネマトゥデイ(外部リンクより)
毎度お馴染みの素材でも、味付け次第で美味しくなるのねー。
面白かったー!!!
カップル無双だと思ったら、まさかの彼女無双!最高!
最初、誰が主役なのかさっぱりわからなくて……、
(↑カップル無双だと思ってたから出てくるカップルがみんなそれっぽく見える)。
こんなださい靴下履いてるおっさんが無双すんの?!………あれ、死んじゃった。
カップルじゃなくて夫婦無双だったか?…………あれ、死んじゃった。
以下、くりかえし。
似たようなマスクばっかで犯人何人いるのかわからなくなるし、揃いも揃ってハゲだしッ!
猟奇殺人者が襲ってきたら、相手は超無双だった!っていう設定はすんごく面白いし、けっこうトリッキーな感じもするけど、
記念日に全員集合~!電話繋がんないー!和やかな晩餐が不穏な雰囲気に…………というお約束シチュエーションに、
ウッフンしてたら……窓に近寄ったら………最初に外に飛び出すやつは………スローモーションなったら………ギャアギャアわめくやつは……etc。
と、いうホラー映画のお約束はちゃんと守るあたりがかなり好感度高め。
ラストがちょっとショボかったのと、犯人の不気味な凄みが前半で消えたとこ、サバイバルキャンプ仕込みならもちっとやれるだろーっ!
……という3点が不満っちゃ不満だけど、まぁ、いっかー!
ミキサーのコンセント差した瞬間の「キタキタキタキタァァァァーッ!」感は最高(*´ω`*)♪
しかしここのシーンだけやけにファンタジーなんだよねー、あんなの一瞬で刃がダメになっちゃうからムリムリムリムリ。(なんていったら野暮かしら?)
ミキサーは足先や頬あたりをちょっと削って差し上げる程度がいいなー。
ド派手無双よりもこういう地味無双の方が最近しっくりくるお年頃です。
ミリオンダラーホテル(ネタバレなし)
【勝手に星付け@映画】
ミリオンダラーホテル ★★★★☆
(ネタバレなしだけど、内容に踏み込んでます)。
あらすじ→U2のボノの原案をヴィム・ヴェンダースが映画化した愛の物語。ロサンゼルスのダウンタウンにあるミリオンダラー・ホテル。社会からはじき出された人々が住みついた場所。そこに暮らす知能障害者のトムトムは、親友イジーの死に傷ついていた。が、イジーが大企業の御曹司だったことから彼の父親がこのホテルにFBI捜査官を派遣する。これがきっかけとなり、トムトムはずっと恋心を抱いていたエロイーズと急接近。一方、捜査は住人たちの思惑と絡み合い事態は急展開をみせる……。
(allcinema ONLINEより)
期待値アゲアゲで借りてきたものに、帰宅したらなんだか急にオシャく×映画な気がしてくることってありませんか?
観るかなぁ、観ないかなぁって散々悩んだあとに…………まぁ、観たわけですけどもッ!
結論、オシャ×そ映画ではありませんでしたー!
おしゃれではあるけど、くそ映画ではありませんでしたッ!
もしこれから見られる方は本編の前に予告編の最初の30秒だけでもご覧になることをおすすめしますッ!
ジャンルはTSUTAYAはラブストーリーの棚にあったけど、映画サイトではスリラー。
でもどっちも間違ってない。
スリラーとして観ると、前半はかなり不親切スリラーです。
FBI捜査官のスキナー(メル・ギブソン)のコルセットの謎や、人間関係、殺人事件の全景がなかなかに分かりづらく………一見、意味がなさげな他愛ない会話だけで進んでいくストーリー。
ま、難解な監督ヴィム・ヴェンダースだからその辺りは致し方ない。←でも本作は分かりやすい方なのかなぁ。
影の使い方や、光の差し方の演出がものすごく良くて、とっちらかった場面でも観るべき場所をきちんと示してくれるのと、登場人物たちの心情を良く表していた。
後半、様々な謎が明かされていく過程はちょっと喋りすぎじゃない?ともなるけど、
明かされた真実があまりにも哀しくて、この辺で、もどかしくもこの先の運命が見えてくるのが悲しい。
トムトムの馬鹿げた髪型も愛らしく見えてくるし、娼婦のエロイーズとのラブシーンは歴史に残る爽やかさ。
そもそも死んだイジーの父親が「ユダヤ人の息子が自殺するはずないッ!殺人だッ!犯人を見つけろッ!」
って無茶な号令を出したのがきっかけで、スキナーは捜査を始めるけど、ホテルの住人たちは頭がぶっ飛んだ人たちのみ!
自分はビートルズにいて、全曲作曲したのに印税がもらえないオジサンとか、イジーの自称婚約者やら、話にならんわけですよッ!
そもそも「バカといえば僕の名前があがる」という主人公トムトムでさえ、知的障害があり、周りの人間は彼が他人の悪意やずるさを見抜けないことをわかった上で、こきつかい、見下してる。
それでもトムトムは「貧乏舘の執事」のつもりで、パシりにされまくり。←ほんとに胸くそ!
あげくに殺されたイジーの同居人の絵を高値で売るために、イジーが描いたことにして画商を巻き込み悪巧み。
でもトムトムは善悪もわからずに、みんながハッピーになるならいいんじゃなーい!とどこまでも純粋に信じてる。
彼の目にはエロイーズしか映らず、エロイーズに純粋な愛を捧げることしか考えてない。
FBI捜査官のスキナーの手先になり、トムトムを嵌めようとするが、
彼の不器用で純粋な愛に触れ、トムトムに惹かれていくエロイーズ。
エロイーズ役のミラジョヴォヴィッチのこの役で女優魂開眼!
繊細で危うげで、それでも強い。
ラストの台詞。
「僕に自我があるなんて、エロイーズに会うまで知らなかった」
トムトムは自分が"頭が弱い"人間で、無知なことをわかっていた。
わかっていたけど、それがどう周りに作用するかはわかっていなかった。
容疑者として追われることになったトムトムをみて、イジーの父親に怒りをぶつけるスキナー。
スキナーのコルセットの意味もここで明かされる。
でも全ては遅すぎて、「人は虚構を信じる」という言葉どおりにトムトムは飛び立っていく。
トムトムとエロイーズが最後にかわした会話が未来を夢見た会話だっただけに、
すごく悲しかった。
イジーはずるい。
彼の死は、自殺とも殺人ともとれる。
どちらにせよ、他人を利用したずるい死だ。
エロイーズへの愛が2つの違った結末を迎えた。
すごく悲しい映画だった。
と、真面目に語ったところで、私的なマイナスポイント!
住人たちのキ×ガイっぷりが薄いッ!
キチ×イ設定だったはずなのに最後、真っ当にストーリー作っちゃってるんだから、オイオイ前半はなんだったのよー?と。
この辺りはもう少し×チガイ設定を貫いてほしかったー。
あとU2!ボノが原案だから仕方ないかもだけど、映画音楽には合わないよー!
セリフや情景をそのまま歌詞にして歌いあげるセンスのなさねっ!
映画音楽は本編の助奏!これじゃU2のPVだわぁ。
それでもじわじわと真綿で首を締められるようにのっぴきならない状態に落ちていくトムトムが妙に滑稽で、おかしかったりもした。
ちょっと難解な部分もあるけど、じっくりしっとりと観れる映画です。
おすすめ(*´ω`*)♪
パディントン(ネタバレなし)
【勝手に星付け@映画】
パディントン ★★★★★
あらすじ→イギリス・ロンドン。
真っ赤な帽子を被った小さな紳士が、はるばるペルーから家を探しにやってきた。
それは・・・彼が“クマ"だから!
やっと出会った親切なブラウン夫人に“パディントン"と名付けられ、都会暮らしを始めてみたけれど、野生の本能が邪魔してドタバタの連続!
それでも、純粋で礼儀正しいパディントンは、はじめは煙たがっていた心配性のブラウンさんや子供たちとも仲良くなり、やがて街の人気者になっていく。
しかし「いつまでもブラウン一家のお世話になっていられない」と、一人で家を探すことに。
そんなある日、彼をつけ狙う謎の美女・ミリセントに誘拐されてしまう!
いまさらながら鑑賞。
パディントン、くっそ可愛い!めっちゃ可愛い!世界一可愛い!宇宙一可愛い!!!
ただそれだけで充分ッ!お腹いっぱいありがとう!
笑えて、ちょっと泣けて、ほっこりして。
他人の女装姿にここまで笑ったのは初めてかもー。
ロンドンに到着し、英国紳士らしく、とっても丁寧な言葉遣いで道行く人に話しかける彼だったが、なぜか誰からも相手にしてもらえない!
↑いや、だって熊だし。
熊が喋ることに誰もつっこまないのは、アリなの?ナシなの?
ナシでいいのかー、だってくっそ可愛い!めっちゃ可愛い!世界一k………以下、略。
バスタブコースターとか、マーマレード厚塗りサンドとか、手すりをシューっとか、傘でぶっ飛ぶとか、
ちっちゃい頃に憧れたシチュエーションがたっぷりすぎて、それだけでわくわくだし、
ブラウン家の階段に描かれた桜(?)の絵が素敵すぎてうっとり。
バードさんの無双っぷりもたまらない!
ニコール・キッドマンの悪役美女もうっとり。
↑あの映画のオマージュシーンは、彼女的にOKだったんだろうか………。
笑いどころにメリーポピンズ、ミッションインポッシブル、あとジャッキーチェンのなんだっけ………時計塔でうわわわぁってなる映画のオマージュ使うとかずるいー。
※あとは映画詳しい方に補足をお願いいたします!
すべてがツボすぎて、昼間っから酒を噴き出した次第です。
ベタで何が悪いー、ハッピーエンドで何が悪いー。
2も観なきゃー!!!
デジャヴ(ネタバレなし)
ハンニバルのドラマ版にハマりすぎて、映画どころじゃない日常。
【勝手に星付け@映画】
デジャヴ ★☆☆☆☆
あらすじ→543名もの犠牲者を出した、凄惨なフェリー爆破事件。捜査官ダグは、手がかりを握る一人の女性の遺体を見た瞬間、強烈な“デジャヴ”に襲われた―「私は、彼女を知っている・・・」。彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した【タイム・ウィンドウ】と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から《4日と6時間前》の映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった!まるで生きているかのように美しい彼女の姿を見続けるうちに、ダグは再びデジャヴを感じ、さらに「彼女を救いたい」と強く願うようになる・・・。やがて、《4日と6時間前》の過去と現在をめぐる《驚愕の真実》が明かされる。果たして、彼は“すでに殺されている女性”を救い出し、“すでに起こってしまった爆破事件”を防ぐことができるのか?―その答えは、“デジャヴ”に隠されている・・・。
TSUTAYAで煽り文句がすごかったから、かなりワクトキして借りてきた。
結果、後悔してる(´-ω-`)
乗客400名あまりを乗せた船で爆破テロ!!!!
ATFの爆弾スペシャリストと犯人のアクション、サスペンス、どんでん返しのどばばばばぁーん!!!!!!!みたいな?
大好きなATFが大活躍する映画だと思ってた…………開始30分くらいは。
前半はサスペンス。
中盤、突然のSF展開(しかもメイン)になり、後半はど派手なアクション。
肝になる理論が笑っちゃうくらいバカげてるー!!!
「★」はデンゼル・ワシントンが好きだから、ということで。
リリーのすべて(ある意味、ネタバレあり)
エディ・レッドメインには無尽蔵に高得点をつける私が通ります。
【勝手に星付け@映画】
リリーのすべて ★★★★☆
あらすじ→
この映画はずるい。
人生の綺麗なところだけを切り取っている。
愛がこんな綺麗なはずがない。
無償なはずがない。
そんなことを思いながら、感情のたがが外れるほど号泣した。
この映画のリリーは、別の視点から見れば、自己中心的でわがままだ。
そう見えてしまうのは、(トランスジェンダーということを一先ず置いといて)
彼女の選択はある人への"愛"のためだったという真実を描いていないからだと思う。
清濁併せ持った夫婦だったという史実を無視した脚本は、あまりにもご都合主義すぎる。
彼女が受けたのは臓器移植であり、性転換手術ではない。
そして合併症で亡くなった。
それに邦題がおかしい。
主役はリリーじゃなくて、妻のゲルダではないかと思う。
アイナーは支えてくれるゲルダに対して、あまりにも無関心で冷たすぎる。
この映画に出てくる夫婦の人生は、あくまで映画用で、
自分の生き方やトランスジェンダーうんぬんでリリーになることを決意したアイナーと、苦悩しながら支えた妻・ゲルダの"物語"はフィクションなのだ。
でもこの映画はずるい。
するくて、素晴らしい映画だった。